雑草女の日々の雑感

そのへんの雑草女の雑感です。適当に流してください。

娘としてのエゴ

 

両親に対して、「あなたたちの期待に応えられるような娘になれなくてごめんなさい」という思いが、ここ数年ずっと、少なからずある。


新卒で入った会社は1年ともたず、退職後に結婚しても式は挙げず、まだフォトウェディングもしていないから花嫁姿を見せていない。今は自分のやりたいことをやっているとは言え具体的な内容は伝えていないし、孫の顔だって見せられていない。奔放な娘としか彼らの目には映らないと思う。健康だけが取り柄。その健康だって、いつまでも続く保証はない。


会うたびに、「我が子が健康で楽しく人生を送れているなら、親はそれで十分」と言ってくれる。子としてはとても嬉しくありがたい言葉ではある。でも本当にそれでいいのだろうかとも思う。

生まれてからずっと何不自由ない環境を整えてもらってきた。厳しさの中に愛情を尽くしてもらった。そのおかげで私は今、幸せな日々を送っている。だから今度は私が両親のために何かをする、返していくべき段階なのに、今の私には、両親に"もっともらしく"返せるものが何もない。

きっともう彼らも私には期待らしい期待はしていない。……と書くと両親が薄情なような印象になってしまうけれどそうではなく、これまで彼らの「娘に対して抱くには至極真っ当な期待」を私が何度も裏切ってきた結果、「楽しく健康に生きる」ことだけを純粋に望まれるようになった。

結婚式等の人生の節目のイベント体験だとか、社会的な成功だとか、そういうものは今後、弟が代わりに果たしていくんだろう。寂しさはある。しかし自分が選択し作った状況なのだから、私は他のやり方を考えないといけない。


会いに行くだけで嬉しそうに笑う両親の顔を思い出すと、温かい気持ちになると同時に、時おり胸が痛む。彼らの抱いていた期待に、期待以上のもので応えたかったという気持ちが、未だ拭いきれていないことを自覚する。

こんなことを考えているなんてそぶりは両親の前では一切見せていない。もしも見せたら、「あなたがそんなこと考えてるってだけで幸せだから」と泣いてしまうような、情の篤い人たちなのだ。そうやって泣かれたら私はもらい泣きして、その瞬間、満足してしまうかもしれない。しかし何も返せていないことに変わりなく、時間が経てばきっとまた同じことで悩む。

私に何ができるんだろうか。何をすれば、自分の納得できる親孝行ができるんだろうか。考えないといけない。